sigmaの日記

日々思ったことをつらつらと書きます。

良い発表とは

 良い発表をすることは重要である。なぜなら、発表の上手い下手によってその人の価値が決まるからである。確かに、発表の内容自体も、大切である。いくら発表が上手でも、コンテンツがくだらなければ、それなりの評価になる。しかし、コンテンツが面白いのに、発表が下手という人は、そのせいで損をしている。たとえば、そういう人は、就職活動や会社でのプレゼンなどで、せっかく良いコンテンツを持ってきたのに、十分にその魅力を伝えられない。良い仕事をしていれば、きっとだれかが評価してくれる、という昔の「職人気質」は、もはや通用しなくなりつつある。むしろ、論理立てて、分かりやすく人に伝えることも、コンテンツの一部となってきた。案外、内容はつまらなくても、発表が上手いために高い評価を受ける、などという逆転現象もよくある。

 良い発表をするためにまず必要なことは、十分な時間を発表資料の作成と発表練習に割くことである。時間をかければかけるほど、比例して発表は良くなっていくと考えたほうが良い。誰か練習相手がいるときには、他者からのフィードバックが得られ、発表の仕方のみならず、内容のブラッシュアップにもつながる。ひとりで練習するときには、内容の反芻をしっかり行えるので、より自分が言いたいことを適切に述べるためのよい練習になるだろう。なぜなら、その発表内容を一番良く知っているのは自分だからである。

 次に必要なことは、内容の流れを意識することである。まず、導入があって、この発表をする動機が語られる。研究発表ならば、この研究を行った大元の動機は何か、さらに、それに関連して、いくつかの先行研究を紹介すべきだろう。次に、発表全体を貫くテーマを述べる。つまり、どんな疑問があって、この研究に取り組んだのかということである。これら2つは、行き先案内版のようなもので、これがおろそかだと、聞いている方は不安で仕方がない。話がどこへ向かうのか分からないからだ。そして、必要に応じて方法を述べる。そして、結果。最後に、今まで述べたことの繰り返しとして結論を話してお仕舞いである。結論部分では、特に強調したい成果や、それらから当然のこととして導かれることを盛り込めば良い。以上のような流れが、特に理科系の発表では、一般的であろう。特殊な方法として、いきなり結論から入る、というものもあるが、それは、その結論が、聴衆にすぐに受け入れられ、しかもある程度驚きや感服を伴っていなければ効果は薄いと思う。